私は雨が嫌い。

雨臭さと服や鞄が濡れるから。

雨の日は、どこへ行くにも道中での気分は憂鬱である。


そんな時に傘をささず、濡れて歩いている彼がいた。

無表情でどこか寂しげな彼の背中を私は立ち止まり、その背中を見送った。


次の日も雨。また彼を見た。

私は彼を追いかけ肩を掴み、話しかけた。

彼は黙ったまま、私に苦しんでいるような顔で微笑んだ。

私は彼を傘に入れ、一緒に帰る。会話はない。

だけど、私は何となく彼が何かに悲しんでいる事がわかった。