～音楽に情熱と洗練した数学的パターンを宿す～
ベートーヴェンは古典派音楽（18世紀中期から19世紀初期）を代表する作曲家です。緊迫感と激しい情熱のある演奏で、聴く人を圧倒し、魅了しました。
ベートーヴェンは聴力を失ったことは有名ですが、その苦悩を受け止め、作り上げた数々の作品は今もなお、多くの人々に愛されています。また、ベートーヴェンが聴力を失いながら完璧な音楽を作り上げられたのは、数学的な才能によるところが大きいといわれています。こうした数学的パターンを熟知し、聴衆への効果まで予測し人々に感動を与え続けています。
～ピアノの詩人と呼ばれる作曲家～
ショパンはロマン派（19世紀初期から20世紀初期）を代表する作曲家の一人です。4歳でピアノを始め、7歳で演奏会をはじめるなど、まさに「神童」と呼ばれるにふさわしい才能を現し始めました。一方、ショパンは病弱であり、控えめで繊細な性格でした。ショパンが「ピアノの詩人」と呼ばれる理由に、彼の代表曲である「子犬のワルツ」「別れの曲」など繊細で美しい曲調が大きく関係していると推察されています。そのような人々を惹きつける曲調が生まれたのは、彼の控えめで穏やかな性格が反映されていることがわかります。
～音楽に絵画のような繊細さと美しさを宿す～
クロード・ドビュッシーは近代音楽（20世紀初期から第二次世界大戦の終わり頃）を代表する作曲家です。ドビュッシーの代表曲というと「月の光」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。曲を聴いた人々はタイトルにふさわしい月の光を心に思い浮かべることができます。「月の光」からわかるようにドビュッシーの作風は、自然的な印象を直観的に音で表現しようとしています。ドビュッシーの作品は今までの古典派、ロマン派の既存の形式や和声進行から逸脱して作られており、その後の音楽史や多種多様なジャンルの作曲家に大きな影響を与えました。
～ピアノの魔術師と呼ばれる作曲家～
フランツ・リストはロマン派（19世紀初期から20世紀初期）を代表する作曲家の一人です。10歳になる頃にはすでに演奏会を開いていました。同じ時代に生まれた「ピアノの詩人」フレデリック・ショパンと「ピアノの魔術師」フランツ・リストは、天才ピアニストとして名を馳せた2人ですが、特徴は正反対でした。リストは華やかな演奏を好み、ショパンは静かで穏やかな演奏を好みました。リストは超絶技巧で有名ですが、その超絶技巧を目指すきっかけとなったのが、当時ヴァイオリンの名手として知られていたニコロ・パガニーニでした。リストはその超絶技巧を理由に指が6本あるのではないかと噂されるほど技術が高くまさに「ピアノの魔術師」にふさわしい作曲家です。